Sillageの「発酵」─香りと旨味を支える、小さな力
- jw47399
- 10月8日
- 読了時間: 2分
10月3日にオープンしてから、日々多くの方にお越しいただけることを本当に嬉しく思っています。今日は、Sillageの料理の核にある「発酵」についてお話ししたいと思います。

発酵は、足すことではなく「引き出す」こと
Sillageにとって、発酵は、味を足していくための技術ではなく、素材の中に眠る力を静かに引き出す方法です。たとえば高知・宿毛の戻りガツオを使ったディナーの前菜では、ソースに発酵パプリカを使います。常温で10〜14日ゆっくりと乳酸発酵させたパプリカは、フルーティーな酸味と香りをまとい、ほどよく脂がのったカツオの旨味をやさしく包み込みます。発酵そのものを主張させるのではなく、料理全体の香りと余韻を整え、味わいに奥行きを与えることが目的です。

自然と向き合う発酵
毎日焼き上げる自家製のカンパーニュやサステナブルな野菜のペーストにも、同じ考えが流れています。北海道産キタノカオリとルヴァン種を使い、自然発酵の酸がパンの香りを深めます。サステナブルな野菜のペーストは、今の時期は人参を発酵させ、契約農家から取り寄せる規格外野菜と合わせ使用していますが、発酵による甘味と香りがパンの味わいをぐっと引き立ててくれます。

“香りの余韻”を生む、静かな発酵
Sillage(シヤージュ)はフランス語で「香りの余韻」。発酵もまた、見えないところでその余韻をつくる小さな仕事だと思っています。派手ではなくても、食後にふと蘇る香りや味わい。そんな体験を、一皿一皿の中で重ねていきたいと思います。
Sillage(シヤージュ)〒108-0072 東京都港区白金1丁目27-6 白金高輪ステーションビル 1 階TEL:03-5793-5022ランチ:11:30~15:00 (L.O.14:00)ディナー:18:00~21:30 (L.O.20:00)定休日:水曜日TableCheckでのご予約はこちら



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