Sillage × 和蔵酒造 — 日本酒ペアリングディナーのご報告
- ohiranao
- 12 分前
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11月28日金曜日、Sillageでは千葉県より和蔵酒造の池田会長をお迎えし、一夜限りの日本酒ペアリングディナーを開催いたしました。

料理と日本酒──それぞれが持つ香り・旨味・余韻が交差し、発酵をテーマに料理を紡ぐSillageならではの深いマリアージュが生まれた夜。その様子を、少しだけご紹介いたします。
■ 開幕:〈上槽三日後〉の“生まれたて”竹岡特別純米(新酒)"

最初の一杯は、なんと 上槽から三日後の搾りたての特別純米の新酒。
千葉の酒米から生まれた瑞々しさ、ふくらむ甘み、立ち上る香り。「蔵でしか飲めない」一期一会の味わいに、会場から驚きの声があがりました。

合わせたのは、宗定シェフによる”甘エビのタルタルのタルト/リエットと菊芋のチップス”。発泡感が少し残る新酒のフレッシュな味わいが、アミューズの香りや素材の冬らしい旨味をそっと持ち上げ、ペアリングの物語がスタートしました。
■ 冷前菜:シマアジのマリネ × 竹岡 純米吟醸(五百万石)

続く冷前菜は、”シマアジのマリネと発酵トマトのジュレ、ベルガモット風味のソースとディルのオイル”。
これに合わせるのは、すっきりとした酸、キリッとした後口が特徴の”竹岡 純米吟醸(五百万石)”とのマッチング。シマアジの上品な脂の旨味、発酵トマトの複雑さ、ベルガモットの酸味とディルの爽やかさに、日本酒の上品な酸と透明感が重なり、皿に奥行きを与えていきます。
■ 温前菜:オオモンハタ蒸し × 竹岡 純米大吟醸(雄町)
温前菜は、”オオモンハタ蒸し/春菊とハマグリのバターモンテソース”

シェフ宗定の出身地の岡山の酒米「雄町」を使用した 純米大吟醸 が寄り添う一皿。やや甘みのある日本酒のまろやかでふくよかな味わいが、魚の旨味とバターソースの深みを包み込み、香りの余韻を高め合うマリアージュに。
■ 肉料理:鴨のロースト × 聖泉 純米無濾過生原酒(1年熟成)

メインは”鴨のロースト”。鴨の出汁に黒酢とネギオイルを合わせた複雑なソースは、酸味・旨味・コクが折り重なる豊かな味わい。
合わせたのは、”聖泉 純米無濾過生原酒(1年熟成)”。
無濾過で火入れがなされない無濾過生原酒は時を経ることに味わいが変化し、まろやかに、複雑さを増していきます。
低温で静かに眠った一年間の熟成がもたらす旨味と複雑さが、鴨肉の重厚さ、ソースの複雑さと響き合い、“料理と酒がお互いを高め合う” ペアリングの醍醐味が溢れる一皿となりました。
■ デザート:和蔵の柚子酒 × 柿・ほうじ茶・柚子・チョコレート

デザートは、柿・ほうじ茶・柚子・チョコレートを重ねたSillageらしい構成。
和蔵酒造の柚子酒の爽やかな香りと甘酸っぱさが、デザートの中の柑橘のニュアンスと重なり、冬の終章にふさわしい心地よいフィニッシュへ導きました。
最後には、Sillage名物の 焼き立てフィナンシェ をお楽しみいただきました。
■ 和蔵酒造・池田会長との語らい
当日は、和蔵酒造の 池田会長 にもご来店いただき、日本酒づくりへの想い、米・麹・酵母の話、そして一本一本の酒が持つ“性格”について直接語ってくださいました。

テーブルに広がる笑顔、頷き、会話。日本酒と料理を媒介にした豊かな時間は、Sillageチームにとっても忘れがたい学びの場となりました。
■ 発酵と発酵の邂逅──Sillageと日本酒が交わる夜
日本酒は、麹と酵母による 並行複発酵で作られる稀有なアルコール。Sillageの料理もまた、“発酵”を軸に香りと旨味を紡いでいます。

その二つが出会った時、和と洋の垣根を越えて、皿と酒の間にこれまでにない新しいバランスと余韻が生まれました。
料理と日本酒、作り手とゲスト、そしてテーブルを囲む人と人とが自然につながっていく、まさに“Sillage=香りの余韻”を共有する一夜となりました。
■ 最後に
ご参加いただいた皆さま、心よりありがとうございました。
Sillageでは、今後も食がつなぐ体験をテーマにしたイベントを開催してまいります。
次回のご案内も、どうぞお楽しみに。
Sillageチーム一同



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